『謎を追い求めて 〜その後〜』

 ジルバートは魔法ギルドに来ていた。彼は以前の冒険で得た魔剣について書かれているであろう手記を見つけたので其の解読を依頼していたのだ。そして今日魔法ギルドから解読が完了したとの連絡を受けたのだ。
「失礼します」
そう言うとジルバートは解読を担当した導師の部屋に入った。
「ああ。ジル君いらしゃい」
「手記の解読が出来たとお聞きしましたが?」
「ええ、まあお茶でもどうぞ」
と導師が差し出すお茶を受け取りジルバートは椅子に座った。
「で、何と書かれていたのですか?」
「ジル君そう焦らずに。」
「す、すみません」
ジルバートは一息つこうとしたが湧き上がる不安は消せなかった。
「あの手記は実は日記でした」
「日記ですか………」
ジルバートの声には落胆の響きを含んでいた。
「そう気を落とさずに魔剣については判りませんでしたが封印されていた理由はわかりましたよ。」
「本当ですか。是非教えてください」
「………そうですね。貴方は知っておくべきでしょうね」
「?」
ジルバードは其の物言いが気になったがそれより魔剣のことについて知る方が先決だった。
「魔剣が封印されていた理由は簡単です」
と導師は静かに話だした。
「あの英雄は魔剣の力をかなり恐れていたようです。」
「あの魔剣は使い手は選んでもその判断基準に善悪は入ってないみたいなのです。」
「……だから封印していたんですか……」
ジルバートの声は震えていた。心の中はとんでもないことをしてしまったという思いで一杯だった。
「封印を解いてしまった事を気にすることはありません。遅かれ早かれ封印は解けてしまうみたいですから」
「どういう意味でしょうか?」
「彼の行った封印はかりそめのもので長い年月が経つと些細なきっかけで解けるみたいです」
「彼はそれを知っていたからこそ剣の台座にあのような文字を刻んだのでしょう」
「封印を解く者が良き心を持っていることを願って」
「…………………」
ジルバートは何気なく手にしたものがとてつもなく重いものだと改めて認識させられた。
「今回判ったことは以上です」
「ちょっと待ってください。」
会話を終わらせようとする導師をジルバートは呼び止めた。まだ確認したいことが有るからだ。
「その英雄が行った封印の方法はわからないのですか」
ジルバートにとってそれは重要なことだった。もし判るのならば魔剣を封印しようと考えていたからだ。
「………知りません」
明らかに動揺しており嘘をついているようだった。
「答えてください」
「知らないものは知りません!!帰ってください」
結局ジルバートは追い出され封印方法は判らぬままだった。

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